2026/07/25
人を大切にする職場へ
互いを理解し、尊重し合うために
【機関紙JAM・2026年7月 25 日発行 第 330 号】
最近、ある著名人同士のやり取りをきっかけに、「相手との距離感」や「人への接し方」について社会的な議論が広がった。同じ言葉や行動でも、受け取る人によって感じ方は異なる。「悪気はなかった」という思いだけでは、相手との信頼関係は築けない。そのことを、多くの人が改めて考えたのではないだろうか。
お互いが仕事に真剣だったからこそ生まれた出来事だったのかもしれない。しかし、どれほど真剣であっても、相手を傷つける結果になってしまえば、傷ついた人も、傷つけた人も幸せにはなれない。私は、そのことに大きな悲しさを感じた。
これは芸能界だけの問題ではない。私たちの職場でも、何気ない言葉や行動が相手を傷つけ、安心して働けない環境につながることがある。また、人手不足が続くものづくりの現場では、忙しさからコミュニケーションが不足し、お互いを思いやる余裕まで失われているのではないかと感じることがある。
大切なのは、相手を一人の人格として尊重し、「自分はこう思う」だけではなく、「相手はどう受け止めるだろう」と、一度立ち止まって考えることだ。私たちは、相手がどのような経験や思いを抱えているのか、そのすべてを知ることはできない。心に傷をえながらも、それを語らずに働いている人もいる。だからこそ、相手への想像力と思いやりを忘れてはならない。
人権とは、一人ひとりの尊厳が守られ、互いを尊重しながら生きていくためのものだ。その考え方は、職場においても変わらない。制度や相談体制を整えることはもちろん大切だが、本当に職場を変えていくのは、一人ひとりが互いを認め、尊重し合おうとする日々の積み重ねである。
人を大切にする職場とは、一人ひとりが自分らしく力を発揮し、互いを認め合える職場だ。そのためには、日頃から対話を重ね、相手を理解しようとする姿勢が欠かせない。JAMとしても、人権やハラスメントを「問題が起きたときだけ考えるもの」にするのではなく、互いを理解し、尊重し合える職場づくりを進めていく。
副会長 河野由香里