JAM 熟練技能継承事業
中小企業へも始まる

ボシュ(株)で関連企業の5人、技能五輪修了者が指導

普通旋盤とフライス盤の2級検定 合格めざす

ボッシュの指導員が見守るなか、測定実習を行う

 JAMは中小企業の若手従業員の育成に向け、2012年1月16日からボッシュ東松山工場で技能指導を開始した。ボッシュ労連と会社の協力を得て実現したもので、JAM関連企業の3社から5人の研修生が参加、旋盤やフライス盤の実技指導をボッシュの技能五輪修了者から受けた。

測定の手本を見せるボッシュの指導員(技能五輪修了者)

 今回は1月中に4日間の指導だが、以後も引き続いて実施し、今夏の技能検定2級合格を目指す。

 JAMは今後、中小企業の基礎技能の底上げを図るべく、企業へ高度熟練技能者を直接派遣しての指導も実施して行くことにしている。



         
   

日本ノッズル精機(株)での指導

 

円筒研削盤の技能検定2級をめざす

マイクロメーターの正確な使い方を伝授する平田高度熟練技能者


 埼玉県久喜市の日本ノッズル精機株式会社で、高度熟練技能者による「円筒研削盤」の技能検定2級の取得へ向けた技能指導が2月18日、はじまった。この夏の検定合格を目指す。

 同社は、大型船舶用ディーゼルエンジン燃料噴射装置や陸上ガスタービン用燃料噴射ノズルなどの製造を行っている。これまで普通旋盤やマシニングセンタなどの技能検定資格はほとんどの社員が取得しているが、「円筒研削盤」については初の取り組み。この検定職種へのチャレンジは同社社長の意向でもあり、円筒研削盤の検定1級資格取得者を育てたいと、会社の姿勢は前向きだ。


1/1000分の研磨精度を出すための基礎を伝授

 指導にあたる高度熟練技能者の平田保雄さんは「初めての技能検定職種に取り組むことは、その会社の作業環境や仕事の基本を見直すことでもあり、企業にとって非常に有益」と、取り組みのメリットを語る。

 技能指導の初日は、日常業務で活躍中の円筒研削盤を整備。普段は特定の工程で機能のごく一部しか活用していなかったマシンを技能検定試験に対応させるために、半日かけて全機能を使えるようにし、その過程で、マシンの構造やメンテナンス・設定方法などもまじえて丁寧に指導した。


 総務・経理課長の小林靖さんは「業務では、新人でも一週間で仕事をこなせるような教え方をしているが、平田先生に基礎的なことをしっかり教えてもらうことができて、本当にありがたい」と絶賛する。受講生の小林辰哉さんは同社で初のチャレンジに期待をかけられているが、「基本的なことをいろいろ教えてもらった、一つひとつ納得できることばかり。検定合格へ向けて頑張りたい」と、目を輝かせている。