組合用語・基礎編

 労働三権
 憲法第28条で保護されている、働く者の権利。「団結権は」労働者が団結する権利。「団体交渉権」は労働条件を改善するために、労働組合の代表者が会社側と交渉できる権利。正当な理由がない限り、会社側が交渉を拒否することはできません。「団体行動権」はストライキなどの争議行為をする権利です。
 労働三法
 組合の活動を保障するため、労働三権を詳しく法律として定めたのが「労働組合法」。賃金や労働時間等、労働条件の最低保障となる「労働基準法」。また、主に公益事業の労使関係の公正な調整をはかり、労働争議を予防し、または解決するための「労働関係調整法」をあわせて、労働三法といいます。
 春季生活闘争
 2月下旬から4月にかけて一斉に行われる賃上げをはじめとした労働時間の短縮等、総合的に労働条件の改善に取り組み闘争のこと。
 ベースアップ・定期昇給(定昇)
 ベースアップとは企業収益や物価の上昇等、経済・社会情勢の変化によって賃金水準を引き上げること。
 定昇とは、1歳1年経ったら、賃金を賃金制度に基づいて一定の基準にしたがって増額すること。
 有給休暇
 休んでも賃金をカットされないので有給休暇。
 通常の賃金(時間外手当、臨時給与を除く)が支払われる休暇で、労働者の権利として、事由によらず何時でも請求できます(「事業の正常な運用を妨げる場合」については、使用者に時季変更権がありますが、年休の請求そのものを否定することは出来ません)。
 労働基準法により次の最低基準が定められています。
  @年休権の発生:6ヶ月以上勤務し労働日の8割以上出勤した労働者が取得出来ます。
  A最低付与基準:勤続要件と勤務形態に応じて次の通り(年間の新規付与日数)。

勤 続 年 数
6ヵ月 1年
6ヵ月
2年
6ヵ月
3年
6ヵ月
4年
6ヵ月
5年
6ヵ月
6年
6ヵ月
     週所定労働時間が30時間以上 10 11 12 14 16 18 20
週所定労働時間が
30時間未満で
週所定労働日数が
4日 または年所定労働日数が 169〜216日 7 8 9 10 12 13 15
3日 121〜168日 5 6 6 8 9 10 11
2日 73〜120日 3 4 4 5 6 6 7
1日 48〜72日 1 2 2 2 3 3 3

  B計画取得:付与日数のうち年5日を越える部分について、労使協定に基づく計画取得が法で
    認められています。
  C年休権の有効期間:新規付与毎に2年間。法定はされていませんが、使用目的等を定めて、
    失効年休を積み立てて年休として使えるようにする制度もあります。
  D使用者は年休取得を理由とする不利益取り扱いをしてはなりません。

JAMでは勤続1年経過後に20日、最高25日以上の年休付与を要求しています

 本来仕事の疲れをいやすための休暇ですから、病気に備えてとり惜しみ等しないで、事前に計画を立て、思いっきりリフレッシュして下さい。
 労働協約
 組合と使用者との間で結ぶ取り決め(協定)。労働条件や労使の権利・義務権利(労使間のルール)を包括的に規定する協約と賃上げ等個別に結ぶ協定(個別労働協定)があります。
 労働協約は就業規則に優先します。同じ地域や業種の組合・会社どおしが共通の労働協約(統一労働協約)を結ぶこともあります。
 時 短
 労働時間の短縮。休日・休暇を増やしたり、1日の労働時間を短くすること。ドイツと比べて300〜400時間も多い日本の労働時間。労働組合にとって時短は大きな課題です。
 ストライキ
 組合の仲間が団結し、働くことを拒否する行為。ただし、交渉での話し合いによる解決が第一。ストライキは最終的な手段です。
 最低賃金
 賃金(給与)の最低限度額を、国が法律に基づいて定めます。使用者(会社)が支払う賃金は、これを下回っては行けません。組合側、公益側を代表する人で話し合い、地域別、産業別に決められます。
 連 合
 「連合」(日本労働組合総連合会)はJAMをはじめとする産業別労働組合が集まった日本最大のナショナルセンター(国内で最上級の労働組合)です。組合員数は約800万人。連合は産業別組織だけでは実現できない課題を、より大きな力を集めて解決していきます。
 とくに働く者の立場から法律や制度の改正を政府に求める「政策・制度要求」は、連合の重要な役割の一つ。
 国際労働組合総連合(ITUC)
 国際労働組合総連合(ITUC:The International Trade Union Confederation、本部:ベルギー・ブリュッセル)は、国際労働運動がグローバル化の負の側面に対応するため、効果的で強力な機構をめざし、2006年11月、それまでの国際自由労連(ICFTU)、国際労連(WCL)、など8つの組織によって結成されました。
 JAMは、連合を通じて国際労働組合総連合に加盟しています。世界157の国・地域の312組織、約1億7,000万人もの組合員があなたの仲間なのです。
 戦争の絶えない国、貧しい国、労働組合が不当な弾圧を受けている国が数多くあります。組合員だけでなく働くすべての人にとって「パンと平和と自由」が1日も早く当たり前のものになるよう、また、環境問題についても、その組織力をいかして各国の企業や政府、国際機関に対して働き掛けを強めています。
 金属労協、IMF
 JAMのほかにも電機、自動車、鉄鋼、造船等、機械金属関係の産業別労働組合組織が、金属労協(全日本金属産業労働組合協議会、IMF−JC・247万人)に参加しています。労働条件向上の取り組みでは他産業をリードする役割を果たしています。
 そして、金属労協を通じて、世界最大の国際産業別組織である国際金属労連(IMF、本部ジュネーブ、2,100万人)に一括加盟。IMFは各国の経済発展を担う機械金属産業の労働者を代表して、組合の権利拡大を労働条件の向上、環境問題等に積極的に取り組んでいます。
 

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