政策ニュース

2001年9月20日 第2002−1号

《発    行》  J  A  M

《発行責任者》 大山  勝也

《編     集》 社会政策局

TEL:03-3451-2586

mail:syakai@jam-union.or.jp

  
働き方の破壊は許さない!!
労働法制の改悪阻止「9.18緊急抗議行動」
 

 連合は、9月18日午後1時から、東京・霞ヶ関の第4合同庁舎前で、労働分野の規制緩和に反対する緊急抗議行動を行いました。
 内閣府の総合規制改革会議が、本年7月にとりまとめた「重点6分野に関する中間とりまとめ」に抗議し同会議の連合ヒアリングが行われる同庁舎前で集会を行いました。
 あいさつに立った連合・笹森事務局長は、「現在の雇用・失業情勢は劣悪な状態です。この総合規制改革会議には、労働側の代表は一人も入っていません。労働者を使いやすいように使い、いつでも切り捨てることができるということを法律に盛り込みたい人たちが集まって会議をしているのです。労働組合の存亡をかけ、すべての労働者に呼びかけ、いまの政府に鉄槌を喰らわせなければいけないということを共通認識としてもっていきましょう。」と決意を述べました。
 JAMも、書記局を中心にこの集会に参加しました。

総合規制改革会議のとんでもない「提言」

 総合規制改革会議では、7月にとりまとめた「中間とりまとめ」の内容をさらに検討し、関係者のヒアリングなどを実施しながら、12月に改革内容を固め、内閣総理大臣に提出することにしています。
 JAMは連合と連携し、私たちの雇用と生活の安定をなし崩しにしようとするこのような提言には断固反対の立場で取り組んでいきます。

<主な提言>

@有期雇用契約の期間(上限)を3年から5年にして、その対象を拡大する。

A裁量労働制を拡大する。

・対象専門業務の拡大

・企画業務型要件の緩和

B一般派遣労働の対象を「物の製造」にも拡大し、期間も延長する。
 さらに専門業務の対象を拡大する。

C整理解雇4要件を切り下げた形で、解雇基準を明示する。

D労働基準法を改正しホワイトカラーは労働基準法の適用から除外する。

☆「連合が反対する理由と要求」は次のページをご参照ください。
☆「中間とりまとめ」の詳しい内容は、
総合規制改革会議のホームページをご覧ください。
http://www8.cao.go.jp/kisei/index.html


【総合規制改革会議の提言と連合が反対する理由・要求】

     提言内容 連合が反対する理由

有期雇用契約の期間(上限)を3年から5年にして、その対象を拡大する。  3年でも5年でも有期契約制度は期限が来たら使用者が自由に雇い止めできるものであり、雇用と生活を不安定にします。
<連合の要求>
 期間を定めた雇用契約にはその業務が終了する期間などの理由が必要なこと、パートの契約更新は一定のルールで長期雇用とすることを求めます。

裁量労働制を拡大する。

・対象専門業務の拡大  
・企画業務型要件の緩和

裁量労働とは、時間管理を自分でする働き方。ただし、多くの作業を命じられるとサービス残業を余儀なくされ、合法化するものであり、社会生活と健康を破壊します。
<連合の要求>
 
企画業務型には問題があると考えています。なぜなら専門型の対象職務とは違うグルプ作業を行っている所が多く、自己の裁量権はほとんどない実態にあるからです。問点の見直しを行うことを求めます。

一般派遣労働の対象を「物の製造」にも拡大し、期間も延長する。さらに専門業務の対象を拡大する。 派遣期間は、特定の専門的業務(26種類)は3年以内、臨時的・一時的人員所用に対応する一般派遣は例外を除き1年に限られています。対象業務を物の製造にも認めまた、期間1年制限の延長は、不安定就労者を増やし、常用雇用を破壊します。
<連合の要求>
 
事前面接や年齢制限の禁止など労働者の保護を強化することが重要と考えています。遣期間だけの「雇用契約」で雇用主がほとんど世話もしていない派遣制度は低レベル雇用を増やすだけです。見直しは、法律の規定通り2002年の総合実態調査を踏まえてうことを求めます。

整理解雇4要件を切り下げた形で、解雇基準を明示する。 裁判では、解雇は経営が厳しいときも十分な基準と手続きなど正当な理由が必要とされています。こうした現在のルールを明示するのであれば賛成します。しかしその内容を切り下げれば、労働者も機械や道具と同じように、古くなれば捨てるということになるので反対です。
<連合の要求>
 労働力は一般商品とは区別すべきであり、安易な解雇を認めれば、労働者の生活を不安定にします。裁判で確立したルールは経営責任として当然であり、切り下げは認めません。現在のルールを法律にすることを求めます。

労働基準法を改正しホワイトカラーは労働基準法の適用から除外する。 日本のホワイトカラーのサービス残業や過労死は世界的な課題です。労働基準法から除外すればさらに生活を破壊します。
<連合の要求>
 高度な専門的能力を有する層に限定したとしても摘用除外は絶対反対です。むしろ摘用を強化してサービス残業などを撲滅すべきです。