2011春闘

所得低下の回復へ

組合員の参加で社会を動かそう

 JAMは2011春闘方針を決定する第18回中央委員会を1月17日、東京・総評会館で開いた。方針では、2011春闘を「組合員の参加で社会を動かす」取り組みの第一歩と位置付け、賃金・一時金について、この間の所得低下の回復を目指し、
@賃金構造維持分の確保を基本とし賃金是正・改善を含む要求を行う
A個別賃金要求と賃金制度の確立
B企業内最賃協定の締結と協定額の引き上げ
C一時金 の水準回復―などを基本に、1%を目安とする配分の是正
を図ることにした。
河野JAM会長
「行動がなければ先に進まない」
と河野JAM会長

 冒頭のあいさつに立った河野和治JAM会長は、昨年10月に行われた事業仕分第3弾で原則廃止とされた未払賃金立替払制度が、JAMや全国の地方JAMが12月1日から行った民主党衆参全議員への緊急要請行動や、地元事務所に対する要請行動の結果、存続が決まったことをあげ、「行動がなければ先に進」まないと強調。春闘と統一地方選への奮起を訴えた。

 決定した2011春闘方針

 個別賃金要求
@30歳・35歳の高卒直入者の所定内賃金
AJAM一人前ミニマム基準を設定し、これへの到達を基本とし個別賃金絶対水準を重視するとし、そのため各単組が個別賃金水準の開示に努める。
 賃金水準の維持
 @賃金制度のあるところは、構造維持分を確保する。
 A賃金制度はないが、賃金実態に基づいて推計できる場合は、その相当分を要求し確保する。
 B賃金制度がなく、賃金構造分の推計もできない場合は4,500円以上の平均賃上げ要求を行うこととした。
 賃金の是正・改善
  1. ここ数年間に、賃金構造維持分を確保できなかった単組および賃金制度がなく、妥結額が4,500円未満の単組では、その実態を労使で確認し、賃金水準の回復を目指し、5年以内を目安とする中期の目標を定め、その初年度の取り組みとして1,500円以上の水準引き上げを目指す
  2. 賃金構造維持分を確保できた単組でも、人材確保、初任給の引き上げ、賃金分布の偏り・歪み等に対し、企業状況や必要に応じて賃金改善・是正の要求を組み立てる。
 最低賃金の取り組みでは、産別最賃との関係を重視し、企業内最低賃金を締結していない単組では、
 @十八歳以上最賃協定
 A全従業員最賃協定
 B年齢別最賃協定
     のいずれかについて協定の締結を要求する。

 統一地方選必勝の決議

 中央委では、4月に実施される統一地方選挙について、42人の組織内・準組織内候補擁立を確認するとともに「われわれの生活により身近な地方議会にわれわれの代表を送り込む重要性がますます高まっている」とし、「仲間の力で全候補者の当選を勝ち取ろう」という内容の統一地方選挙の必勝に関する決議を満場の拍手で決議した。


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