賃上げで内需拡大、雇用対策、政策・制度要求の取り組みの
三つの柱で取り組むことを確認した


 JAM第14回の中央委員会が1月15、16の両日静岡県熱海市で開かれ、2009年春季生活闘争を@月例賃金について、消費者物価上昇分に各種是正分等を加えた、ベースアップを要求する2009年春季生活闘争方針A中央・地方・単組が連携して取り組むJAM雇用対策の取り組み方針B政府による有効かつ迅速な雇用対策、景気対策を求める2009年春の政策・制度の取り組み方針を三つの柱として取り組んでいくことを確認・決定した。







 中央委員会冒頭のあいさつに立った河野和治JAM会長は、
  1. 賃上げを内需に結び付ける。
  2. 中小企業対策や雇用問題を中心に政策・制度を通じて政治の場での要求実現を目指す。
  3. 雇用対策を本部と地方JAMが一体となって進める、を要求の三つの柱として09春季生活闘争を進める。
  ― と述べ、本部と全国に配置した106の地協の役員と専従者が連携して単組の交渉を支えていくと決意を表明。
  一方、失政のツケがすべて国民に回されている現状から「労働を中心とした福祉型社会」へ向けて政権交代をめざす。その第一歩が総選挙での「田中けいしゅう」「つつい信隆」の両組織内候補の必勝であると強調し、来年の参議院選挙での津田やたろう再選へ向けて強力な取り組みを要請した。

 春闘方針をめぐって7人が発言

 春闘方針を巡って大要次のような質問・意見が出た。
  1. 激変する経済環境の中で労働界全体で決めたというが、4,500円のベースアップで内需拡大ができるのか。
  2. 4,500円の要求をできる組合があるのならこの場で確認を。
  3. 足元で操業率半減・8割減もある。4,500円以上の意義は分かるが、「以上」を「基準」に変えられないか。
  4. 4,500円が高すぎると言うがいくらだったら良いのかということになる。提案どおり労働組合としてベア4,500円とすべきだ。最初から取れる金額を設定するのが要求といえるのか。何のための交渉か。
  5. 連合の場で公正取引問題について産別の枠を越えた協議ができないか。
  6. 同じ職場で働いていた派遣労働者が雇い止めとなった。このことが負い目になっている面がある。
  7. 大手と中小が4,500円と同じ要求では格差が拡大するのではないか。
  8. 非正規の問題が何故こんなに拡大したのか、法改正のとき新自由主義に押し切られ規制緩和が進んだことによる。派遣は制度だから仕方がない、ではなくて、元に戻すために何をするのか。直近の課題として派遣など非正規の仲間が困っている、同じ働く仲間としてどうするのか。

 執行部答弁

 4,500円は実質賃金の確保・物価上昇などによる目減り分の確保だ。内需拡大へ消費マインドをどうやって上げるかだ。現下の状況は分かるが、まずは要求することから始まる。公正取引問題について産別間で協議することは必要だ。技術があっても仕事量がないと立ち行かない。物量を増やすための財政出動を求めていく。上げ幅要求のみでやっていくと格差是正は難しい。だからこそ賃金水準要求が必要だ。「派遣切りで負い目」についてはより強力に手を打って行かなければならない。「派遣」の状況はおかしいとの思いは同じ。一気に正規化とはいかないが、法改正の取り組みと現下の緊急課題への対処の二つに取り組む必要がある。まずは労働組合として要求することが重要だ。