第13回中央委員会


09春闘ではベアも検討

 2009年度活動方針骨子や2008年春季生活闘争の総括などを議論したJAM第13回中央委員会が5月30日、東京・総評会館で開かれた。
 春闘総括では、「JAM全体の統一的な態勢が強化され」「新地方JAMの下で成果が見られた」とする一方、今後の課題として、賃金実態の把握と分析をさらに進め賃金改善要求を組み立てていくことが必要とした。また、消費者物価の上昇が予想される中、実質賃金を確保する観点からベアを検討していく必要があることなども合わせて確認した。

 冒頭のあいさつに立った河野和治JAM会長は、「統一要求日に要求を提出した単組が2003年以来最高になり、構造維持分を上回る賃金改善を要求する単組が昨年を上回った」とJAM全体の統一的な態勢が強化されたと評価。さらに3月最終週で妥結金額の下降に歯止めが掛かり、昨年実績を上回る推移を見せたことについて、「これは中堅・中小、とりわけ100人未満の単組における粘り強い交渉による追い上げがJAM全体の相場を押し上げた」と健闘をたたえた。
中央委員会では、後期高齢者医療制度の廃止に向けた4万人の署名が津田やたろう参議院議員に手渡された。津田議員は6月3日その後届いた署名を合わせ5万2千人の署名を携え、参議院厚生労働委員会で制度を廃止するよう、舛添大臣に迫った。

08春闘 総活用最終集計


 春季生活闘争の最終集計は、8月に行うが、総括資料としては、6月集計を以って最後とする(最終の集計は8月)。 その概要は次の通り。

 賃上げ妥結額は、全体計4,864円(前年同期4,824円)、300人未満4,696円(同前4,660円)で、何れも昨年同期を上回った。

 一時金妥結月数は、半期2.17ヶ月で前年と同じ結果となった。
 賃金改善を獲得した単組は458単組(前年同期 387 )である。

 労働時間に関する取り組みでは、要求541単組、回答114単組、うち割増率の引き上げでは、要求358単組、回答50単組となっている。
JAM全体集計・6月18日第19回集計
- 2005年 2006年 2007年 2008年
6月20日 6月20日 6月20日 6月18日
交渉単位数 1,721単組 1,710単組 1,704単組 1,695単組
賃上げ妥結 1,307単組 1,299単組 1,279単組 1,316単組
同上・交渉単位比 75.9% 76.0% 75.1% 77.6%
同上300人未満 1094単組 1,101単組 1,088単組 1,119単組
平均賃上げ妥結額 4,207円 4,613円 4,824円 4,864円
- 前年同一単組比較 298円 378円 241円 16円
同上・300人未満計 4,031円 4,454円 4,660円 4,696円
- 前年同一単組比較 334円 388円 232円 21円
賃金構造維持分明示 420単組 647単組 620単組 695単組
- 平均で賃金改善あり 125単組 327単組 387単組 458単組
-- 賃上げ回答額 5,337円 5,668円 5,767円 5,690円
賃金構造維持分 3,893円 4,324円 4,472円 4,538円
賃金改善分 1,444円 1,344円 1,295円 1,152円
個別賃金30歳水準 239,367円 237,780円 242,835円 243,164円
個別賃金35歳水準 274,250円 269,943円 274,095円 271,818円
一時金半期回答 905単組 865単組 897単組 919単組
-- 回答月数 1.98ヶ月 2.06ヶ月 2.15ヶ月 2.15ヶ月
妥結月数 2.01ヶ月 2.08ヶ月 2.17ヶ月 2.17ヶ月
-- 前年同一単組比較 0.14ヶ月 0.10ヶ月 0.11ヶ月 0.10ヶ月

【要求状況】
2005年 2006年 2007年 2008年
6月20日 6月20日 6月20日 6月18日
単組数 単組数 単組数 単組数
賃金要求提出 1,406 81.7 1,440 84.2 1,414 83.0 1,458 86.0
-- 平均要求 1,351 78.5 1,398 81.8 1,362 79.9 1,410 83.2
個別賃金要求 160 9.3 160 9.4 153 9.0 180 10.6
賃金交渉なし 82 4.8 81 4.7 68 4.0 66 3.9
一時金年間 588 34.2 573 33.5 551 32.3 581 34.3
一時金半期 1,120 65.1 1,081 63.2 1,054 61.9 1,079 63.7
最賃要求 242 14.1 284 16.6 281 16.5 338 19.9
-- 18歳最賃 116 6.7 110 6.4 107 6.3 138 8.1
全従業員最賃 127 7.4 120 7.0 124 7.3 156 9.2
年齢別最賃 115 6.7 145 8.5 129 7.6 146 8.6

労働時間に関する取り組み
-- 要求 回答
 労働時間関連計 541 114
--  割増率要求 358 50
 総労働時間短縮 372 73